成犬のハウストレーニング(トイレ)


愛護団体や保健所にいる成犬達はその前に住んでいたお家ではきちんとハウストレーニングいた事が多いのですが、シェルター環境にいると、なかなか外で排泄する機会がなく、ケンネル(檻)の中で排泄してしまう事が多くなります。このような状況が続くと、当然失敗も多くなってしまいます。また、シェルター環境では他の犬達の匂いがマーキングを促進してしまうという事もありえます。そのような状況にいた犬と暮らす際、最初のうちは新しい環境でのトイレのルーティーンや、あなたが犬のトイレのサインを読みとってあげれるようになるまでに、少し時間を要する場合もあるという事を理解してあげて下さい。たとえ前の家ではきちんとハウストレーニングが出来ていたとしても、その犬が出しているトイレのサインが気付かなかったりした為に、家の中で排出してしまうという事もありえるからです。

したがって、犬があなたの家に来た最初の数週間は、ハウストレーニングが出来ていないものなのだと思っておいてください。犬が前にいた環境ですでにハウストレーニングを覚えているのならば、あなたの家でも比較的すぐに覚えてくれるでしょう。アクシデントを避けて、どこで排出すればいいのかをステップを踏んで教えてあげる事で、このプロセスはスムーズに行く事でしょう。

ルーティンを定着させる

  • 排出する為に毎日同じ時間に犬をその場所に連れて行ってあげる。(例:朝起きてすぐ、会社から帰ってすぐ、夜寝る前など)
  • 外で犬がちゃんと排出したらしっかりと褒めてあげる。おやつなどをあげても構いません。排出した直後に褒めてあげる事が大切です。排出して犬が家の中に入ってくるまで待っては意味がありません。これはとても大切な事です、外で排出するのが良い事なのだと犬に学んでもらう事が必要だからです。
  • 玄関からさほど遠くない場所に犬が排出する場所を決めます。犬を必ずリードにつなぎその場所まで連れていきます。犬がその場所で排出した後に一緒に遊んであげるか、散歩に連れ出してあげます。もし、家の中でアクシデントがあった場合、尿などを拭いたペーパータオルなどを外にある排泄指定場所に置いておきます。排泄指定場所にあるその尿の匂いが、犬に「この場所で排泄をするんだ」という事を教えてくれます。
  • 犬が排出している最中に、「おしっこ」「パーティー」などというコマンドを使います。そうする事で、そのうちに「おしっこ」「パーティー」というと排泄するのだな、と理解するようになります。
  • 決まった時間にご飯を食べさせる事で、排出の時間も決まってきます。

監視、監視、監視

大切なのは犬に失敗させないようにしてあげる事です。犬にリードを付けたままにしておいて、あなたの側にいてもらう、ゲージなどを使って行動範囲を狭くする、自分のいる部屋の中だけを犬の行動範囲にするなど、最初のうちは、犬が家の中にいるときは常に犬の事を監視してあげて下さい(訳者注:じーっと見つめつづけるのではなく、何気なく横目で見るなど)。そして排出のサイン、床をクンクン嗅ぎながら、部屋の中ぐるぐる回り出すなどの行為を注意して観察してあげて下さい。そして、それらのサインが見受けられたらすぐさま犬にリードを付け、外にある排出指定場所に連れて行ってあげて下さい。そこで排出したらその直後にしっかりと褒めてあげ、おやつをあげて下さい。

制限

もしも犬の監視が出来ない時がある場合には、余裕をもって立ち上がったり、寝そべったり、ぐるっと身体の向きを変えたりするくらいの大きさではあるものの、そこで排出するには犬が好まない程のスペースを用意し、犬をそこに入れてあげて下さい。これらのスペースは、家にあるトイレや小さな部屋の一部をベイビーゲートなどの柵を使って囲んでやる事で作るか、クレートトレーニングをしてからクレートに入れてやる事も可能です。ここで1〜3時間過ごした後、ペットを外に出してやり、そのまま外にある排泄指定場所に連れて行ってあげて下さい。そこで無事排泄した場合は、しっかりと褒めてあげます。(訳者注:ご飯をたべた後、これらの場所に15分程入れておき、その後排出に連れて行くとまず間違いなく排出するかと思います。)

あ、失敗しちゃった!

  • ほとんどの犬はこの過程の中で失敗もします。これは犬が新しい環境に慣れる迄に、必ず起こりえる事だという事を念頭に入れておいて下さい。
  • もしも家の中で排出している最中の犬を発見した場合は、何か音を出して犬の気を引き(ここで犬を怖がらせないように注意)ます。そしてすぐさま犬を外にある排出指定場所に連れて行きます。そこで排出を住ませたらまたしっかり褒めてあげて下さい。
  • 家の中で排出した犬を罰してはいけません。家の中で排出物を見つけた時には、既に遅し。その行動の修正をするのは遅すぎという事です。ただ何事もなかったかのようにその場所を掃除するだけにしましょう。犬の鼻先を排出物に押しつけたり、その場所に犬を連れて行き叱るなど、いかなる形でも「罰を与える事」は、あなたの事を怖がらせる事になるばかりではなく(訳者注:信頼関係が壊れる)、あなたの前で排出する事自体を怖がる事にもなります。動物は物事が起った後での「罰」というコンセプトを持っていません。例えそれが数秒後でも、同じ事です。罰を与える事は犬にとって良い事はなくても、悪影響を与える事がありますので注意しましょう。
  • 家の中で排出した後を綺麗に掃除するのは大切な事です。排出物の匂いが残ると、またそこで排出したくなるような刺激を与えてしまいます。ペットの尿や便の匂いを消す専門のクリーニング用品を使いましょう。

その他に考えられる問題

ハウストレーニングのルールをきっちり守ったのにも関わらず、まだ犬が家の中で排出してしまう場合には何か理由があると思われます。

  • 身体的な問題:尿路感染症などによる身体的な問題が家の中でのトイレの失敗の原因の場合もよく見られます。獣医さんに連れて行き、病気がないか身体検査してもらって下さい。
  • サブミッシブ/興奮による排尿:一部の犬、特に若い犬の中には、興奮したり、怯えたりしている時に一時的に膀胱のコントロールを失う子もいます。これらは、会う時、激しく遊んでいる時、これから罰を受けると分っている時などに起ります。
  • 縄張り意識のマーキング:犬は時に自分の少量の尿や便を使って自分のテリトリー内をマーキングします。オス、メスの両方が自分の縄張りが侵入されたと感じる時に行いますこの行為をします。。
  • 分離不安症:家から誰もいなくなった不安から家の中で粗相をしてしまう犬もいます。普通は、それと共に破壊的な行動や吠えたりというその他の症状もあります。
  • 怯えや病的恐怖心:動物は非常に恐ろしい状況に追いつめられると膀胱のコントロールを失う事があります。もしあなたの犬が大きな物音を怖がるのであれば、花火や雷が鳴っているときなどに家の中で粗相をしてしまう事もあります。
  • 地面の優先思考:あなたの犬が一部の床の表面上(例:新聞紙の上)だけで排出するという風にトレーニングされていた場合や、今迄にコンクリートの上だけで、その他の地面の感覚を体験する事なく育った場合、このような地面の優先思考癖が作られます。これは直して行くのは難しいかもしれませんが、彼らの排出の為の地面は家の中ではなく、外にあるという事を少しづつ教えてあげる事で管理してあげる事ができます。

この資料について&ダウンロード

この資料は米国コロラド州のNPO団体、Dumb Friends Leagueに許可を得て、その英文をサンシャイン・スマイルが日本語に翻訳したものです。尚当団体サンシャイン・スマイルは、Dumb Friends Leagueとの提携関係は一切ありません。この資料の最終的な内容と著作権はオリジナルであるDumb Friends League(英語)に帰属します。copyright © 2003-2017 Dumb Friends League. All Rights Reserved. 本誌に掲載されているイラストレーション、および記事の無断転載、使用を禁じます。この資料を各自印刷し、無料で配布や使用する事は可能です。(2012年6月10日発行)

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こちらに掲載してある記事は、あくまでも原文(英語)を忠実に訳していますので、記載されている内容の効果や安全性を当団体(サンシャイン・スマイル)で保証するものではありません。これらの資料は参考資料としてお読みください。